細田守監督の作品でサマーウォーズや時をかける少女と人気の映画として竜とそばかす姫(通称:竜そば)がとても話題ですよね。
現在社会を映し出す仮想テクノロジーによるSNSや若者の青春や孤立を描いたストーリーで違和感なくストーリーを観ることが出来る一つだと思います。
また、今回の竜そばのようにこんな世界があったら体験してみたい思うファンもいるはずです。
本作は曲を作ることだけを生きる糧にしてきた主人公のすずですが仮想世界UでAsという自分の分身を作りBelleの名前で美貌の歌姫として話題人気になります。
現実の世界では過去の経験がトラウマや中小誹謗などにより自分をさらけ出して歌うことが出来なかったすずですが、Uの世界で徐々に変わり始めていく姿が描かれています。
しかし、Belleのようになりたいと理想を描いてくれるストーリーの中に必然性かのうよに片足が欠損した犬が登場します。
「なぜ犬には片足がない?」「犬のケガの原因は何?」「監督はなぜこのように描いたの?」と疑問と不思議がいっぱいであり関心がありませんか?
ここでは竜そば犬のケガの原因や片足がない理由について考察してみようと思います。
竜そば犬のケガの原因は?
田舎で平凡に暮らす主人公のすずの家では犬(フーガ)を飼っており彼は右前足が欠損しています。
白色に薄茶色の毛が混じっているため、外見は薄汚く見え可哀想な犬に見えてしまいます。
しかし、表情はとても無邪気な様子で人の心を癒してくれます。
主人公すずは思春期の女の子であり心を閉ざしているためどのように接し扱うべきか父もわからない様子が観ていて感じ取ることが出来ます。
毎日、必死に絞り出して声をかけているのでしょうが、返答すらないこともあるのは現実でもリアルな話ですよね。
まるで現在社会でもある社会を描いており、主人公自身も父とコミュニケーションを取っていないことを自覚し自分でもどうしてよいかわからずに悩んでいます。
母をなくしコミュニケーションが少ない親子にとってフーガは普通に話すことが出来る唯一の家族です。
フーガの表情はとても穏やか優しく友達のルカちゃんからも「かわいのうぉ~」悩む思春期を癒してくれています。
フーガ自身も片足がないため動物や人の心の痛みが分かるような立ち振る舞いをしてくれているように感じます。
どうしてもフーガを観ていると彼の片足がなぜ欠損しているのか気になってしまいます。
原作小説でもフーガの片足がないのはイノシシの罠にはまり片足をなくしてしまったと描かれています。
竜そばの舞台は高知県越知町鎌井田地区であり、この辺りは鳥や鹿・イノシシが毎年増加傾向にあります。
そのため、経験狩猟者が用いるくくり罠にフーガが捕まった可能性があり、片足をなくすほど傷を深く追ってしまったのでしょう。
なぜ、すずの家族としてやってきたかは不明です。
しかし、毎朝フーガの散歩は彼女の日課となっており、すずは家族の中で父と話すよりフーガと一緒にシーンが多いです。
原作では保護犬となっていますが、もしかしたら狩猟者と共にイノシシ狩りとして活躍していたのかもしれなく最後は家庭犬としてお父さんがが引き取ったことも考えられますね。
ペットには老若男女問わず人間の心を癒す力があり、科学的にも証明されています。
ペットと触れ合うことで脳内のオキシトシンが産生され、自律神経を整えて脳の疲れを癒し、気分を安定させてくれます。
お父さんはフーガなら少しずつすずの気持ちを受け止めてくれるだろうと思ったのでしょうね。
竜そば犬の片足がない理由も考察!
フーガの五体満足は現実の世界で母を亡くし心を閉ざした主人公すずと照らし合わせ鏡のように見えます。
フーガを五体満足に描かなかったのも意図的であり誰でも欠けている所があると細田監督はメッセージを込めたと考えられます。
人間あるいは動物であろうが現実を受け止めて前を向いて生きているということを伝えたいのかと思いました。
仮想世界では自分の分身を作り、現実の世界とは別の時間軸で生きているように見えます。
しかし、お互いなくしたものは元に戻ることはありません。
それでも時間は過ぎ去り、ぽっかり空いた心の隙間や無くした片腕は戻らないことを伝えたいのではないでしょうか。
現実世界でフーガと向き合っている主人公すずと仮想世界でBelleと竜が向き合っている姿が重なり対比させ、必ずどちらかが相手の心の傷を癒しているようにも見えますね。
是非、映画の中でそれぞれの立ち位置にも注目して観てくださいね。
また、竜そばの劇中下では欠けたものはフーガの片足以外、すずが愛用しているピンクのマグカップ、竜の母の写真などさまざまなシーンで出てきています。
こちらも細田監督が込めたメッセージであり、毎回、細かい演出の魅力となっていますので一緒に探して見てください。
竜そば犬の片足を観て皆の感想は?
「竜とそばかすの姫」鑑賞。
細田守がずっとやってきたテーマに原点回帰した感じの映画。そこに音楽とアニメ視覚表現、強烈なエモさで観る人の言葉を封じるようなsスタジオ地図の細田守監督らしい作品で前作よりは全然好き。私的にはお父さんと片足が無い犬がグッと来たりした。 pic.twitter.com/W1VhqOYYVk— カシラゾンビ (@magurobutu1) August 3, 2022
一見、見逃してしまいそうなフーガの片足に着目をして感傷されるファンも多いと思います。
しかし、監督が伝えたかったメッセージをファンも受け止めようとする感性も凄いと思います。
竜とそばかすの姫2回目IMAXで観に行った!親と映画観るの楽しいな。ずっとなんで敢えて片足ない犬とかの描写出してたんだろって思ってたけど「竜の家と綺麗に対比させてるんだね」ってパパが言っててハッとしたわ。そゆことね
— かれぇこ (@p0ver0q) August 21, 2021
「片足しかない犬にあえてしたのは何故か」と皆さん疑問に思われるファンも多いのですね。
現実の世界ではなし得なかったことや手に取ることが出来なかったことなど、仮想世界では出来たり得ることが出来ます。
平凡な女の子と美女、弱さと強さ、悪と正義感など確かに対比させていますね。
また、ファンの声を観ているとすず親子にはなかったコミュニケーションをこの映画を通してとる機会となっていますね。
きっと、細田監督もこの現代社会が失いかけている事象に気づきをあたえてくれたのでしょう。
竜そば犬のケガの原因や片足がない理由も考察のまとめ
竜そばと犬のケガの原因とや片足がない理由の考察はいかがでしたか。
作品を観ていると一瞬流れているだけのため犬の片足にすらないこと気が付かないかもしれません。
最初、私自身も見過ごしてしており、何度か観ていろいろな欠けているものに気づきました。
細田守監督がこの作品に込めた思いや舞台にした場所から原因を辿るのも違う視点が見えて面白いかもしれませんね。
この映画では現実の世界で心を閉ざしてしまった主人公ですが、もう一つの世界と大好きだった歌を通して自分が秘めていた能力を引き出してもらい自信に繋がっていく彼女の成長や変化が描かれています。
また、竜そばは現代社会で生じている数多くの問題やフーガという片足がない犬の代表のように解決出来ない問題もあることを教えてくれています。
ひとりひとりが今の現代社会とどのように向き合って行く必要があるのか考える機会となると思います。
また、主人公すずが「人間として心の美しさ」を教えてくれるきっかけともなっていますので、是非、「竜とそばかすの姫」を観てみてください。